バイキングス・オブ・ザ・ボルガ
今回は、このブログにしてはめずらしく、ゆるゲーム紹介です。こちら、サンフランシスコ・ベイエリアのご当地ボードゲームの1つ、『バイキングス・オブ・ザ・ボルガ(ボルガ川のバイキング)』です。

基本データ:
タイトル ボルガ川のバイキング (Vikings on the Volga)
出版元 The Lumenaris Group, Inc.
デザイナー/アーティスト Joseph Fatula
プレイ人数 2~5人
プレイ時間 45分
対象年齢 8歳~


「ご当地ゲーム」と呼んじゃう理由。
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少しだけ前口上をば。今回のゲーム、カリフォルニア州サンノゼから少し南に下ったところにある Lumenaris(ルメナリス)さんという家族経営の小さな手作り工房で作っていらっしゃいます。おそらくはご主人と息子さん?がゲームや不思議な仕掛け類の担当、奥さんが手芸用品やキットを扱っていらっしゃる模様。ベイエリア近辺のゲームコンベンションの出店コーナーの常連さんで、昨年9月のパシフィコン (Pacificon) の時にはゲームデザイナーの Joseph Fatula 氏 (おそらく息子さん) が自ら GM を務めてインストしてくれるというセッションもありました。

で、そのときに購入してインストを受け、箱にサインしてもらったのが、こちら↓↓↓。ちょっとうれしい♪ (でも上下が逆さかも知れない
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そんなこんなで、かなりいい感じに手作り感の漂うゲームなのは伝わりましたでしょうか。

このゲームのテーマとゴール。
  • 商売上手なバイキングになって、ボルガ川沿いに都市から都市へスイスイ交易。
  • 気をつけろ、モンゴルの襲撃者が都市を焼いてまわってるぜ。
  • なーに大丈夫、王子が火消し役さ、案ずるな。
  • 誰かが30ルーブル稼ぐか、都市が襲撃されて同時に5つ燃えてしまったら、ゲーム終了。
……と、こんな感じの、シンプルな流れです。


えー、まずはコンポーネントを。

何事も形から入るのが大好きな隊員2号(コードネーム: おかーちゃん)ですので、まずはフタを開けてまいります。えっこらしょっと。

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入っているのは、次の各コンポーネントです。
  • 六角形のマップ用タイル(ロシアの都市タイル、川タイル、荒れ野タイルの3種類)
  • 船型のプレイヤーコマ(6色)
  • 襲撃者のコマ(ベージュ色)
  • 王子のコマ(紫色)
  • 火事マーカー
  • お金(単位はもちろんルーブル)
  • 都市の通行証
  • 生産物カード(魚、ミンクの毛皮、琥珀の3種類)
  • 交易の依頼カード
  • 船のキャパシティ(容量)カード
……と、ここまで列挙すると、勘の良い方ならばもう大体どんな感じのゲームか想像できてしまったかも知れませんがw 短くまとめるなら『カタンの開拓者たち』の六角形タイルマップと盗賊要素に、『ユーロレイルズ』の物品配達要素が重なり合ったような、そんな感じのゲームなんです。

各コンポーネントについては、もう少し後の方で詳しく書きますね。


各ターンにすること。

裏返して重ねた六角形のマップ用タイルを1枚ずつめくり、マップを組み立てたら、
  1. タイル上を、コマを動かす
  2. 生産物を売買する
  3. 船をアップグレードする
  4. 依頼カードをもらうか
  5. 交易する
……という5つのアクションを好きな順番で実行します(どれも任意なので、絶対にしないといけない訳ではない)。

コマを移動させて都市を通過する際には、まだ誰も通行証を取得していない都市であれば通行証を購入できます。通行証があると、自分が今後通る際に通行料を払わなくて済みます。また、自分が通行証を持っている都市を他のプレイヤーが通過する際には、通行料をもらえます。かなり単純化された陣取り要素という感じでしょうか。

また、上記の通常ターンの代わりに、次のような特別アクションをプレイすることも可能です。
  • 襲撃者を動かして都市を燃やす
  • 王子を動かして火事を消し止める
実際にマップをくっつけてみると、こんな感じの盤面になりました。↓↓↓
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つまるところ、毎回かなりランダムなマップができあがることになります。

実際のプレイ時には、こんな感じになります。↓↓↓
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ということで、ざっくりと概要をさらったので、先ほどのお約束どおりコンポーネントのお写真です。


コンポーネント近影たち。

プレイヤー船、襲撃者、王子の各コマ、そして火事マーカー。
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船のキャパシティ(容量)カード。やはりちょっと『ユーロレイルズ』みたい。
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都市の通行証。マップ上の各都市と対応していて、それぞれ1枚ずつです。
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生産物カード。交易の依頼カードに応じて、目的地となる都市まで運びます。
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そしてルーブル紙幣www 色の感じのせいなのか、なぜか昔懐かしい人生ゲームの紙幣を彷彿とした。
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3ゲームほどプレイしてみた感想を。

私(隊員2号@おかん)としては、なかなか面白かったです。10点中7点と7.5点の間くらいですかね。『ユーロレイルズ』が実は大好きなので、物品調達&配達という要素だけでも十分に楽しめました。

隊員3号@8歳もかなり楽しんでいた模様。ルールの理解も問題ありませんでした。むしろ大人が思いつかなかったようなやり方でルールを逆手に取り、最後に逃げ切るなど、なかなかの腕前を見せてくれました。特に気に入っていた要素は襲撃者と王子。後半、1つまた1つと都市が燃えていき、ヤバい!このままではゲームが終わってしまうー!という局面でなぜか大ウケしておりました。スリル感が良かったんですかね。

隊員1号@おとんは、というと、なかなか良くできたゲームだね、と評しながらも、マップが毎回組み替わるランダムさがあまり自分の好みではなかったようではあります。

3ゲームほどプレイしてみて気づいたのは、1ゲームの中でも、ゲームの流れが襲撃者の動きなどでかなり燃える感じになる時と、単なるお遣いゲームのようになってダレてしまう時の格差がある点です。意識して襲撃者&王子コマを動かして行かないとダメなのかなー、というのは思いました。

あとコンポーネント的には、アートワークはかなり可愛いし、品質的にも悪くはないのですが、1つだけ気になったのはプレイヤー船、襲撃者、王子の各コマの素材ですかねー。デザインは好きなのですけど、薄いベニヤ?合板?っぽい素材を使っていて、はっきりいって手触りが悪いんです。ちょうど先日、『テラミスティカ』のミープルたちの、あまりの手触りの良さにしばし感激していたものですから、この残念感は特に大きいです。個人的には、あと何ドルか払ってもいいから、もうちょっとどうにかならなかったのかなーと思います。

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ただ、ほぼ家族経営で、これだけの作品を生み出したこと、世知辛いベイエリアでこれだけハンドメイド感の漂うゲームを製造・販売していること、すごいなーと思います。Luminarisは他にも7~8タイトルを作っており、特に『リーヴィング・アース (Leaving Earth)』というシリーズはBoardGameGeekでの評判もなかなかのようです。ぜひ今後また入手してみたいところであります。

ちなみに『バイキングス・オブ・ザ・ボルガ』のBoardGameGeekのレビューページはこちらです。

初めての方も、いつも来て下さる方も、読んでくださってありがとうございます。またゆるーく更新しますのでよろしくお願いします。(最近はツイッターでもそこそこつぶやいておりますので、あわせてご覧くださいませ。)

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