うちのミープル

ヨーロッパ製ボードゲームの大きな魅力のひとつは、小さくてかわいい木製コマやミープルにあると信じて疑わない隊員2号です。日本は台風が大変だったみたいですが、全国そして世界ボドゲ愛好家のみなさんはいかがお過ごしでしょうか。

 台風で外に出られない、出たくない……絶好のボドゲ日和ですよね。いや、本当に、すごく前向きに(笑)

当地アメリカでも、ボードゲームは気候が厳しい場所でものすごく盛んだったりします。以前私たちボードゲーム一家が住んでいたアメリカ中西部のミネソタ州、夏にはトルネードが来るわ、冬はマイナス30度くらいまで冷えてバナナも凍るわみたいな、今思うとよく住んでたなぁと思うような気候の土地なんですが、今住んでいるカリフォルニア州と比べると、もっとボードゲームが盛んで、コミュニティも活動が密でした。今日はこの辺りのお話をば少し。

そもそもアメリカ中西部ってどこ?

まずは「中西部って一体どこよ?」という問いの答えは、こちらの地図をご覧いただきたく。
アメリカ中西部ってどこ
(地図出典:こちらからお借りしました。貸してくれた人、見てないと思うけどThank you!)

この真ん中あたりにドドーン!と「THE MIDWEST」と書かれているエリアが、いわゆる「中西部」だ。Mid = 真ん中、West = 西……って、そのまんまや。

中西部で主だったことといえば、アメリカ第三の都市・シカゴがあったり、その昔まだノースウエスト航空があった頃にはミネアポリスがハブ空港だったり、オハイオ州にはホンダの工場があったり、『オズの魔法使い』の舞台は実はカンザスだったり、懐かしいところでは70~80年代にNHKで放映されていたドラマ『大草原の小さな家』の舞台はミネソタ州だったりする。

まぁ何はともあれ一言でまとめてしまえば、ほんのわずかな市街地を出たら、あとは基本的に「一面だだっ広いトウモロコシ畑」と思っていただければ、的の中心からはそれほど逸れていないのではないかと思う。(中西部の様子をもっと詳しく知りたい!という物好きさんの場合は、映画『ファーゴ』や、デヴィッド・リンチ監督作品『 ストレイト・ストーリー』をご覧になるようお勧めしたい。)

中西部=アメリカ・ボドゲ界の隠れた「メッカ」?!

この「トウモロコシ畑以外、さして大したものがない」と思われがちな中西部だが、ボードゲームという観点から眺めてみると、実はけっこう興味深いものがあるのはご存じだろうか。
  • GenConの開催地=インディアナ州 → 中西部!
  • 第1回GenCon生誕の地=ウィスコンシン州 → 中西部!
  • 『ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ』を最初に作ったTSR, Inc.の所在地=ウィスコンシン州 → 中西部!
  • Fantasy Flight Gamesの所在地=ミネソタ州 → 中西部!
……などなど、アメリカにおけるボードゲームシーンでカギとなるようなもの・ことは、実はかなり中西部にあるか、そこで起こっているのだ。(「えーでも、BGG.CONはテキサスじゃん?」というツッコミもあるかも知れないが、今回は(゚ε゚)キニシナイ!!)

ちなみにミネソタ州ツインシティー近郊の場合、地元のボドゲ・コミュニティも活動が盛んで、毎年開催のCon of the North(コンベンション)のほか、ドイツを中心としたヨーロッパ系ボードゲームの集まり(参加者100名以上)がほぼ毎月のように催されており、宅ゲー会も常にどこかで開かれているようなシリアスさだ。彼らの筋金入りなところは、厳寒の冬の間だけでなく、せっかくの貴重な短い夏の間すらも激しくボドゲに励んでいるその姿勢だろう。

なぜ中西部ではボードゲームが盛んなのだろう?

その理由について、隊員1号と隊員2号で考察してみた。
  1. 冬が長くて寒い中西部の特に北側は、1年の半分は実質冬と呼んで差し支えないような気候で、しかも連日氷点下のような世界なので、当然のことながら家に籠もってできるホビーが大人気である。(とかいいつつ、前述のように夏もやってるけどね。)
  2. 北欧やドイツ系の移民が多いまた、祖父母や曾祖父母の代に移ってきたような比較的新しい世代の移民の割合が高いので、生活の端々にヨーロッパ文化の影響がまだまだ色濃くみられる。たとえばミネソタ、ウィスコンシン、イリノイの各州では、ヨーロッパ系人口の中でもドイツ系移民が最も多く、それぞれ20~40%を占めている。そういう意味ではボードゲームとの親和性が高いのも当然なのかもしれない。
  3. 基礎学力が高いボードゲームを楽しむには、言うまでもなく様々な知的スキルが要求される。ルールブックの読解力、数学的バランス感覚、ゲームを筋道立てて作戦を練る論理性、敵プレイヤーの観点に立ってゲーム状況を理解する能力、ルールを他人に分かり易く説明する能力などがそれだ。アメリカでは大学受験時にSATという日本のセンター試験に相当する一斉学力考査が課されるが、このSATの平均スコアの州別ランキングで、中西部11州のうち9州が、なんと「全米トップ10」で1位から9位までを占めているのだ。(以下のチャートを参照されたし。)

<SAT平均スコア・州別ランキング (2015年)>
州名  批判的読解力   数学   作文力  合計SATスコア
1 イリノイ 599 616 587 1802
2  ノースダコタ  597 608 586 1791
3 ミシガン 594 609 585 1788
4 ミネソタ 595 607 576 1778
5 ミズーリ 596 599 582 1777
6  ウィスコンシン  591 605 575 1771
7 アイオワ 589 600 566 1755
8 ネブラスカ 589 590 576 1755
9 サウスダコタ 592 597 564 1753
10 ケンタッキー 588 587 574 1749
(出典はこちら

特に 3. については、もし基礎学力とボードゲームの間に何らかの相関関係があるのだとするなら、基礎学力が高いからボードゲームを指向するのか、それとも多かれ少なかれボードゲームをするから基礎学力が高くなるのか、非常に興味深いところである。

ちなみに平均SATスコアのランキング、カリフォルニアは堂々の第35位でしたorz

まとめ

今回はわざわざ「まとめ」としてまとめるほどの内容があるわけでもないが、こういう角度でアメリカのボドゲ事情を眺めてみるのも面白いですねー、ということで書き綴ってみた。 数年前に中西部からカリフォルニアに引っ越してきて以来、何となく感じていたボードゲーム文化の相対的な希薄さ?のようなものを一度文字にしてみたかったというのもある。

たしかにカリフォルニアのように、これだけ気候が良くて冬でも外で難なく活動できるような土地だと、わざわざ屋内に籠もってボードゲームする必然性というのが低くなるのも当然かも知れない。しかも明らかに文化的には割譲前からのメキシコ/スペイン的な影響が強い。 

ただ、たとえば先に探訪したボドゲカフェのあるカリフォルニア大学バークレー校の周辺だったり、シリコンバレー付近のエンジニアが集まる職場だったりすると、自然とボードゲーム愛好家が一定数以上集まっているような印象を抱いている。実際に、隊員2号の前職場(IT系スタートアップ)でも開発チームのエリアには見覚えのあるヨーロッパ系ボドゲの箱がゴロゴロと積まれていたものである。なのでやはり、ある一定の志向の人がボードゲームに興味を持つ、という何かしらの相関関係はあるのかもしれない。

こうした親和性やリテラシーなどの要素は、市場の拡大や、ゲーム開発時あるいはマーケティング時のターゲット設定という側面からも、いろいろと考えてみる価値がありそうだ。

あるいは逆に「では従来の親和性を持つ新規セグメントとは異なるセグメント相手にボドゲを広めるのにはどうしたらいいの?」という新たな問いも出てくるよね。(いや、もうこういうことを散々考えてる方たちはすでにいらしゃるんでしょうけれどもね。)


今日も読んでくださって、ありがとうございます。Happy Boardgaming~♪


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